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linuxサーバの省電力化・リプレース計画

手元で使用しているlinuxサーバのリプレースを思い立ちました。こういった場合、一般の企業でサーバを社屋・またはデータセンターで管理しているならば、その用途や事情に合わせてハードウェアメーカーのブレードサーバや高可用向けサーバなどを購入してリプレースすることになり、OSの導入から始まって、使用環境の整備・データの退避や復元など、費用の掛かる一大案件になるのですが、当方の場合は、小規模なサーバ群を組み直す規模です。それでも、かなり慎重に事を進める必要があります。

リプレースの理由は、老朽化機材の交換・カーネルでの構築・各サーバソフトのバージョンアップです。また、最近は省電力機能を備えたCPUがほとんどですので、そういった面も考慮したいと計画しています。と言いますか、むしろその点でリプレースを思い立ったのです。

少し脱線して、サーバ市場での省電力動向について。省電力サーバは以前よりもいっそう重視されるようになり、クラスタリングなどの環境下で、電力消費と熱を抑えるために、省電力化されたCPUを使用したモデルが、今まで以上にベンダー各社からアピールされてきています。電力消費が大きければ、発電資源の消費(=電気コスト)の増大は避けられず、また伴って発生する熱による、部品の動作不良・損壊が懸念されます。同じ動作が省電力で得られるならば、熱を持たない分、サーバ設置環境に優しく、ついでに地球環境にも優しいという状況が生み出せます。

更に脱線しますが、通常利用するクライアントPCにも、省電力は効きます。といっても、普通に買ってきて使っていると、そういったことは全くわかりませんし、気にも留まりません。これが、ワットチェッカーという電力計測機を使ってみると、色々な電気製品がどの程度電力を使用しているのかがW(ワット)数でわかり、出来るだけ無駄な電力を下げてみたいという気持ちになります。

今、このエントリを書くのに使用しているPCは、AMDのOpteronというサーバ向けのプロセッサを搭載したPCです。このPCには、出来る限りの省電力化を行っています。何も考えずに使っていると、ただ通電しているだけで皮相電力130W・有効電力100Wの電気を消費しますが、それを、通電しているだけの状態のときには電圧とクロックを下げるようにすることで、有効電力60Wまで落としています(※もしサーバ用に使うとすれば、部品を減らして電力をもっと減らせるでしょう)。更に電源を品質のいいもの(力率と変換効率の良いもの)に交換したので、皮相電力と有効電力の比率が1:0.99になり、皮相電力との差分の無駄を抑えることが出来ます。今のように地球温暖化への懸念・またエネルギー資源の石油が暴騰している状態だと、「電気代」というお金の問題もなんですけれども、環境のためにも少しくらいは消費電力を控えたいと言う気持ちになりますね。

本題の、当方のサーバリプレース計画に戻ります。linuxの場合、cpufreqdというデーモンを常駐させ、CPUの負荷率を監視させることによって動作クロックと電圧を自動的に制御することが出来るようです(※適当な時間が無く、まだ実験していませんが)。つまり、サーバが忙しくなるとクロックが上がり、すばやく処理をこなす。暇なときは、低い電圧とクロックで、出来るだけ電力を抑えている。こういう仕組みです。力の入れどころと抜きどころのあるサーバなんて、ちょっと面白そうな気がしませんか?実際にサーバーを組む際に、レスポンスと電力のバランスを考えて設定してやれば、いい出来になりそうです。ハードウェア構成・部品の調達から始めて、2008年には新しいサーバを稼動させたいと思っている次第です。

「古いものを大事にする」ことは、多くの場合に美徳の意図を持って使用される言葉ですが、電化製品に関しては必ずしもそうではありません。例えば、エアコンや冷蔵庫などは技術の進歩により、消費電力を下げた上で更に性能もアップしています。20年前のエアコンをぶん回すとすると、性能の低さと劣化でなかなか冷えず、そのくせ消費電力は今時のエアコンの何倍もの電気を使ってしまう…ということになります。ずっと電気を付けっぱなしで、ある意味サーバと似ている冷蔵庫も、最近の製品のほうがはるかに低い消費電力で稼動しています。買い換える際には、家電リサイクル法で古い資源を再利用還元することが出来、ごみを無駄に増やすことにもなりません(※しかし、消費者がリサイクル費用を負担する為に、不法投棄の問題が増えることや買い替え促進につながらないところが残念ですが)。

ケチという言葉の響きには、「合理性を欠く」「本末転倒」というニュアンスが漂います。今の状況をよく見渡して上手に合理化を図ることは、当方でやっている仕事にも通じます。貧乏性で何も見えずにただただ金をケチって、最終的には時間と資金をドブに捨てるのと同じことになってしまった、そんなケースも聞きます。もし、過去にそういう失敗をしてしまった方がこの文章をたまたまお読みになっていたら…「本質的な部分に気づかない」「チャンスに弱い」「力の使いどころがわからない」「ケチが災いして結局つまらない無駄遣いをしてしまう」…そんな点を、振り返ってみてもいいかもしれません。私は、そういう失敗が多かったので…

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2007年10月25日 02:59に投稿されたエントリーのページです。

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