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ITコンサルティングの実像

ITコンサルタント・ITコンサルティングというと、大手のSIer企業や情報を取り扱う大企業などでは、クライアント・上流・下流を結ぶ立場の役務として、それほど遠い存在ではありません。セットになって派遣されてきますから、当たり前のようにいらっしゃいます。けれども、ITと係わり合いの薄い大多数の人にとっては、ITコンサルタントって何するの?という印象ではないかと思います。そこで、一例ではありますが、ホームページの制作発注を題材に使っての説明と、「実像」と言っては大げさですが、まつわる話などを。

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中堅・中小企業の事業主様ですと、【新しいビジネスモデルを模索している】【社内へのシステム導入】【ウェブサイトの開設】という具体的な要望を持っているにも関わらず、まず最初に何をどうしたらいいのか?という疑問で途方に暮れてしまうような状況が、かなりのケースを占めるのではないかと思います。

仮にウェブサイトを発注して公開したい・と思った場合、ホームページ制作会社は山のようにあります。取りあえず検索エンジンで色々探してみるものの、広告を出しているような大規模制作会社は制作費が高い・さりとて、料金で決めていいものなのかどうか?取引相手として、信頼できるかどうか?など、序盤から手間隙が掛かり、本業以外にそれらに頭を使うだけでうんざりしてしまうと言うお話を、よくお聞きします。

問題は、ITという業務内容では、納められる品物が「よくわからない」ことにあります。ホームページと言っても、単純に価格で見積もりを取ればいいのか?デザインが綺麗な自社ページを持っていることろが望ましいのか?それとも、実績を謳っているところが安心なのか?など、発注先選定・価格と納品内容の判断材料は、折り合いがありそうでないようなものです。価格破壊的に10,000円で作りますと言うところもあれば、修正3回まで保障・30万円で作るところもあれば、初回は10万円で作り、5万円@12ヶ月のサーバ費用と維持管理オプションで制作をするところもあります。それでも、出来上がってきた結果が「どういう点で良いのか」「どういう点で悪いのか」の判断は、一概に付けられません。費用対効果が直接利益でしか判断しづらいのはどの業種も同じですが、システム導入にしろ開発費にしろ、これだけ値段がバラバラな業界も珍しいと思います。

そういう曖昧さがあるがゆえに、IT業界は、有象無象が跳梁跋扈する業界になっています。そして狭い業界ですから、色々と悪い噂も聞くわけです。「○○って会社の××、あいつとは2度と仕事はしたくないし、あそことは金輪際取引は持たない」とか、「△△っていう会社に制作を任せたら、高額の請求にも関わらずとんでもないものを納品してきて、クライアントが尻拭い業者を必死で探しているらしい」とか、色々な事を耳にします。

ITコンサルタントは、問題点の解決を考える職業ですが、色々な問題に対処する「専門のブレイン」の役割を果たすと私は考えて実施しています。上記の例の場合、代理店経由で探すとします。その場合、代理店は単に紹介や仲介の場を与えているのみで、実際に発注する業者の選定は結局自分で考えなくてはならなくなりますし、代理店もその企業の納品内容までは一切責任を持ちません。しかし、コンサルタントの場合は、顧客との密度が高いわけですし、最終的には顧客に利益を与えることが仕事であり実績になります。その為に、一歩踏み込んだ分析や調査を行い、また納品されてくるものの価値判断も行います。そういった意味で、ITコンサルタントを活用したほうがより好ましい結果を得られると考えます。

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ただし。「コンサルタント」と聞いて、どんなイメージを持たれますか?「何が出来るのか得体が知れない」「胡散臭い」「インチキ臭い」と思う方が、かなりいらっしゃるのではないでしょうか?そのイメージは、かなり当たっています。火の無いところに煙は立たず・の譬えもあります…

ITの全体業務では、プロジェクトマネージャ・プログラマ・システムエンジニア、色々な人が関わります。そんな同業の人たちから、最も悪い目で見られることが多いのがITコンサルタントです。「全く仕事をしていない」「週1回の中身の無い会議に参加して、なんかわけのわからないことを言ってそれだけで高い労務費を取る」「たまに顔を出したかと思うと引っ掻き回す」「クライアントとの調整が主業務なのに、折り合いが付けられない」…これほど同業者に嫌われる端的な「職種」も、なかなかありません。

ITコンサルタントは、IT業種の中で最もスキルが低くても勤まる仕事です。勤まるというか、名刺を刷れば自称できるくらいな感じです。プログラミングが出来なければプログラマは名乗れませんが、それなりにコネがあって、ちょこちょことあちこちに顔出しだけして「実績」にしてしまえば、もうITコンサルタントの出来上がりです。もちろん、そういった人は数少ない(と思う)ですし、中身を見透かす人も多いと思いますけれども、コネでITコンサルタントが呼ばれてきた場合などもありますね。

できれば関わらずに後難を避けたい…もし、そんなときがあれば、人間力と能力は、ある程度類推できます。

  • お調子者の軽薄さは無いか?
  • 否定的要素にも触れることを厭わないか?
  • 単純な問いに、具体的な即答が出来る能力があるか?
  • 専門用語で自身のイメージを粉飾しようとしていないか?
  • 本人にとっての「殺し文句」の同じキーワードを、何度も乱用していないか?
  • 脈絡に関わらず、ずっと同じことばかり言っていないか?
もっとも、この程度で底が割れてしまうというのも考えものですが…

※敢えて、ITコンサルタントについての批判的な面・極端な例も書きました。

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2007年10月29日 08:58に投稿されたエントリーのページです。

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