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Google Streetview ネットでの評判など

前回に引き続き、ストリートビューについてです。だいぶ、ネット上では色々な意見が出てまいりました。大きく分けて、肯定と否定があります。意識としての両者をまとめてみました。

肯定の意見では、何よりも「面白い」という意見がほとんどです。これは、GoogleMapチームが感じている面白さと同様ですね。普段、行った事の無い場所を写真でぐりぐり動かして見ることが出来る。普段ならじっくり見ることの出来ないものを見ることが出来る。「便利ではないか」という意見もあります。こちらは、これから訪問する場所の雰囲気や地形を予め知っておきたい・迷いたくないなど、地図を更に発展させた使い方や、またはカーナビゲーションの延長線上にあるのかもしれません。

否定の意見では、やはりプライバシー問題に根付いている意見が多くあります。プライバシーが推測できる情報を持った画像を、全世界の誰もが見られる状態に自主的に公開したいと思ってはいないし、勝手に撮影して削除は要連絡とは、情報管理の立場としてどうなのか、という論調のようです。犯罪に結びつくのではないかという意見もありました。

当方が最初に持った印象では、「このサービスは、日本には向いていないな」と思いました。日本に「他所様(よそさま)」という言葉があります。他人を尊重して(または関与することを良しとせず)、興味を持ったり介入をしない。人をジロジロ見ることは失礼である。他人の財布の中身をチラリと覗くことは、恥ずかしい行為である。これは、「法律」という取り決めとは関係なく、「意識の持ち方」です。例えば、偶然に見てはならないものが見える状況にあったとして、それがどんなに見たいものであっても、目をそむけて見ない。見てしまったらハッと目を伏せ、少なくとも表面上は知らん顔をするのが、生き方・行き方である。それは、「他者からどう見られるのか」という、社会の中で自分が持っている距離感に繋がっているものです。「ガンをつける」という言葉がありますが、これも、そういった距離感から存在する言葉かもしれません。

しかし反面、そういった距離の取り方や気遣いからストレスも生じるのか、一つ間違えるとエスカレートしてしまったり、他人のゴシップに対して異常なほどに興味を持つのも、また人の姿であるように思います。自分の私生活を覗かれて剥き出しにされるのは真っ平御免だが、他人の私生活は根こそぎ曝け出して知りたい。ですから、噂話は誰しも大好きで、有名人のゴシップを扱うワイドショーや写真週刊誌は、非常に人気があります。そういう興味を考えれば、面白い何かを探してストリートビューを閲覧する、これは至極当然だと思います。しかも、ネットのこちら側にそれを咎める第三者はいません。

今、ストリートビューは、この微妙なバランスの上にあります。記号である「町名・番地」「地図」よりも、「写真」は、そのままの姿を伝えるために、より多くの興味をひきつけます。「現場に行けば誰でも見られる」という考え方もありますが、現場に行くにはコストが掛かります。ですから本来は、この「興味を惹きつける」点が、ストリートビューが考えている将来的なビジネスモデルのコアになっているのかもしれません。

しかしながら、どうみても建物の関係者と考えられる人物の写真も掲載されています。おそらく、その地域に詳しい人間から面白い人物や建築物の絞込み?が進み、「ストリートビューまとめサイト」として、それらがどんどん広まっていくと考えられます。もし仮に・ですが、ストリートビューとリンクした「この写真に写っている人、もしかしたら○○の××氏と△△嬢じゃないか?」という情報が広まってしまったら、××さんと△△さんは、実際には全く別人だったとしても、ゴシップの主役に躍り出てしまいます。このように、写真という“食いつきの良い情報”と、誤った情報とが結び付けられたらどうするか?などといった客観性の存在が、ストリートビューのこれからに影響してくると思います。

Googleは、ストリートビューに関して「人のやったことは取り返しがつかない」と発言しました。当方としては、「まとめサイト」「ストリートビューにまつわる情報サイト」が出来たらどうなるか?が気になります。そのとき、なにが起こるのか。Googleは、自分達の発言を、そのまま自分達が苦々しく噛み締める状況に追い込まれるかもしれません。最近のGoogleの動き(ニュース・発言・人材流出)を見ていると、どうもかつての自由さとは異なった方向を見ているような気がしてなりません。

当方の興味だけでいうのであれば、GoogleMapに付随する「施設情報」として、ストリートビューの取材を進めて欲しかったと思っています。もしストリートビューの情報が「動物園・水族館など館内の案内」「河川敷」「登山路」「(有料の)自然公園」などだったら、間違いなくハマりますね。路地よりも、よほど珍しい風景が見られるわけですし、実際に行ってみたいという需要を喚起するかもしれないですから、ビジネスにも結び付けやすいのではないでしょうか。

最後に、「げんしけん」から、春日部姐さんのセリフを引用して締めといたします。「世の中、便利になればなるほど人間ダメになる!お前は…」

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2008年08月07日 22:34に投稿されたエントリーのページです。

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